Q&A(業務委託契約書)_No.15_委託者による技術指導と偽装請負(委託)

Q.
受託者の労働者に対して、委託者は、指揮命令を行ってはならないと聞きましたが、この場合において、技術指導を行うと偽装請負(委託)となりますか?



A.
適切な請負(委託)と判断されるためには、受託者が自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用すること、業務を自己の業務として契約の相手方から独立して処理すること等の要件を満たすことが必要となります。委託者がこれらの要件を逸脱して労働者に対して技術指導を行うことはできません。

ただし、委託者が受託者の労働者に対して行う技術指導とされるもののうち次の例に該当するものについては、当該行為が行われたことをもって、偽装請負(委託)と判断されるものではないとされます。
(1)委託者が安全衛生上緊急に対処する必要のある事項について受託者の労働者に対して指示を行う場合のもの。
(2)新製品の製造着手時において、委託者が受託者に対し、契約内容である仕様等について補足的な説明を行う際、受託者の監督の下受託者の労働者にその説明を受けさせる場合のもの。
(3)受託者が委託者から新たな設備を借り受けた後、それを初めて使用する場合等において、受託者による業務処理の開始に先立って、その設備の貸主としての立場にある委託者が借り手としての立場にある受託者に対して、当該設備の操作方法等について説明を行う際に、受託者の監督の下受託者の労働者にその説明を受けさせる場合のもの。